第一章謎への挑戦 : 写楽の謎と邪馬台国の謎の類似性 / 根本的な問題点 / スリルとサス ペンスに満ちた写楽という存在 / 写楽研究の後れの理由 / 写楽絵と のめぐり合い / 役者絵の新しい出発点 / 大きな謎を解く一つの仮 説 / テレビにおける池田満寿夫氏の新説 / 池田説の難点 / 五 つの論証の必要性 第二章第一標的写楽Ⅱ阿波の能役者説 : ドイツ人クルト写楽を発見す / 写楽Ⅱ阿波の能役者説の展開 / 複 雑な「浮世絵類考』の成立史 / 由良哲次氏の新説とその論考 / 三人 の筆者ーーー大田南畝笹屋邦教山東京伝 / さらに式亭三馬が筆を 加える / 写楽は阿波の能役者ではなかった / 写楽八丁堀住人説を考 える / 『浮世絵類考』の謎を解く鍵神宮本 / 由良氏の解釈の問題 点 / 当代随一の文化人大田南畝の証言 / 写楽絵消失についての重要 な記録 / 写楽を知っていた山東京伝の沈黙 / 三馬の描いた浮世絵相 関図 第三章版元蔦屋をめぐる三人の天才 : 信頼できる三人の証言 / めまぐるしく変わった写楽絵第一期ー第 四期 / 役者絵が語る写楽像四つの条件 / 通説の呪縛から自由になる こと / これまでの写楽Ⅱ別人説の点検 / 天才ジャーナリスト蔦屋重
三郎と写楽 / 総合芸術としての黄表紙 / 京伝Ⅱ写楽説への疑問 / 歌 麿は写楽ではありえない / 歌麿の異常な嫉妬 / 北斎に写楽絵は描け なかった 第四章浮世絵と歌舞伎の相関関係・ : 真理は手近にある / 東西役者気質の違い / 黄表紙は民衆パワーの結 実 / 内なる自己の夢としての浮世絵 / 江戸町民の夢遊廓と歌舞 伎 / 「彼岸劇」から「此岸劇」へ / 三期に分かれる浮世絵の歴史 / 春信が錦絵をつくった / 表現主義の台頭 / 歌舞伎の変遷 / 文化の移 動 / 悪の美の支配 第五章写楽のデビュー 江戸三座の危機の背景 / 役者絵のホットな役割 / 勝川派歌川派 / 写楽と豊国はライバルか / 大判大首絵出現の意味 / 解明の手掛り 「花菖蒲文禄曾我』 / 『花菖蒲文禄曾我』絵番付 / 写楽の独創的着 眼 / 写楽と豊国の共通イメージ 第六章写楽Ⅱ豊国の証明の可能性 : 第一期写楽絵の頂点大判一人半身像 / 写楽・豊国の高麗蔵を重 ねる写楽絵・豊国絵の類似 1 / 第二期大首絵を捨てたのはな ぜ ? / 左右を入れかえた三点セット写楽絵・豊国絵の類似 2 / 第
三期写楽絵の重大な変化 / 菊之丞と仲蔵の万歳写楽絵・豊国絵 の類似 3 / 瓜二つ半四郎の菊水写楽絵・豊国絵の類似 4 / 第四 期写楽絵の終焉 / 自すから引き出された写楽Ⅱ豊国説 第七章画家別似顔絵の比較 : ・ アンバランスな童顔の宗十郎 / 目の上のたるみまで描かれた女 形菊之丞 / 江戸歌舞伎界に君臨する貫禄団十郎 / 美意識の同一 性が示す写楽Ⅱ豊国説 / びったり重なる仲蔵の大首 / 写楽絵とは違 う清政と歌麿 第八章写楽絵の方法的特徴 : 第三の鍵への前提 / 顔立ちと表情の表現法 / 容貎でたどる浮世絵 史 / 写楽の写実精神 / *-* 一重瞼・二重瞼の描き分け / Ⅱ問題 の「皺」 / Ⅲ美人画から脱した女形 / 写実主義から表現主義への 三ポイント鼻Ⅱ目は役者の " こころ ~ Ⅲ下手か上手 か手の表現 / 写楽Ⅱ豊国だけの「いき」 第九章巨匠豊国のサクセス・ストーリー 画期的手法の同時発生という問題 / クルトに消された巨匠・豊国 / 客観的学説としての基礎条件 / 豊国の伝記と研究資料の変遷 / 役者 : 三 00
人形師の子・豊国 / 浮世絵修業・豊春に西洋画を学ぶ / 錦絵作家の 誕生 / 事前協定 ? 写楽絵・豊国絵形式のすれ違い / 豊国・江戸浮 世絵界の総帥となる / もう一つの謎丨ーー結婚問題 第十章写楽の正体が隠れていた理由 : 豊国・泉市・蔦屋の三角関係 / 新人豊国に蔦屋が注目する / 蔦屋と 泉市の攻防 / 力関係の逆転 / 「東洲斎写楽」の謎を解く / ヒントは 「都座口上図、 / 家紋を錦絵に残した豊国 / 落款は〈写楽Ⅱ豊国説〉 の障害となるか / ライバルたちの謎の沈黙 / 豊国にオマージュを捧 げた戯作者たち / 敵意をもっていた ? 歌麿と北斎 第十一章豊国と江戸文化の再検討 : 豊国の画論が写楽絵の秘密を語る / 役者似顔絵描き方指南 / ますヌ ードで描くべし / 手近にあった「写楽Ⅱ豊国説」 / 江戸後期文化と ともに葬られた豊国 / 写楽と豊国を見る目のくい違い / 実感として の豊国浮世絵論 / 豊国絵は黒が基調 / 「紅嫌い」の時代と写楽絵・ 豊国絵 / 豊国芸術の本質「いき」 / 華やかな様式化後期豊国絵 / 仮面の巨匠歌川豊国 解説井沢元彦 : 四一一五
かめい しやらく ひげき 写楽仮名の悲劇 う一 5 ー 6 新潮文庫 平成三年五月二十五日発行 平成七年二月十日四刷 会叩 著者梅 式 発行者 佐藤亮一 本 製 発行所 株式一圷朝社 会社寺不 会 郵便番号 二式 東京都新宿区矢来町七一眦 営業部 ( 〇一一 l) 三二六六ー五一一一 電話 編集部 ( 〇 = l) 三二六六ー五四四〇 振替東京四ー八〇八番 価格はカバ ーに表一小してあります。 乱丁・落丁本は、ご面倒ですが小社読者係宛ご送付 ください。送料小社負担にてお取替えいたします。 うめ た